ブログ
中川清志院長の歯を守るための言いたい放題④
前回は埋込までの治療費の内訳や注意点のお話でしたね。
今回も分かり易く、深く掘り下げて書いていきます。
埋込の治療が終わったら、歯茎の治癒を、2~6か月かけて待ちます。
この期間に幅があるのは、埋込をした時の骨の状態によって大きく変わってきます。
骨がある程度硬く骨量も充分あれば短いでしょうが、その逆の場合は当然長くなってきます。
骨造成といって骨を増やしたりするケースもありますが、その様な時はより一層長くなることになるでしょう。
また一般的に上顎の方が骨量は少なく柔らかい傾向がありますので、下顎と比べて待つ期間が長いのが普通です。
こうして骨とインプラントがガッチリくっついた後、インプラントの頭出しの治療、通称「2次オペ」と呼ばれる治療に入ります。
時間的に5~20分ぐらいの簡単な処置なのですが、ここでそれなりの費用を計上している医院もまああります。
そして再び歯茎の治癒を待ち、やっと歯型を採り最終的に白い被せものが出来上がってきます。
そうそう、一度仮の歯を入れて嚙み合わせや歯の形や大きさ、歯茎とのバランスなどをチェックすることもあります。
これくらいが埋込をした後、実際に正式な歯が入るまでの過程、内容でしょうか。
勿論、この上に我々の人件費や技術料、そして歯を創る技工士さんに支払う技工料というものも加わってきます。
人件費は地方都市と都会とでは違ってきます。これが都会の方の治療費が高い一番の理由なのです。
厳しい医院で治療の過程で撮る普通のレントゲン写真も、レントゲン検査料として請求している所も存在します。
街中の華やかな場所で開業されている医院では、更にテナント料の負担を上乗せされているのでは?と推測されます。
インプラント治療は自由診療なので、その治療に関わる全てのことを事細かく請求するのは勿論違法ではありませんし、ある意味当たり前のことかもしれません。
ただそれが適正かどうかで、インプラント治療を物凄く特別な診療に見せかけ、それ故費用をつりあげている医院も少なくないです。
東京六本木にあるお洒落な医院で、スタッフも若くて綺麗、接遇や調度品も一流、院長は若くてイケメン。
そこでのインプラント治療費は何と1本70万円程。そんな高額にもかかわらずお金持ちやマダム達がせっせと通院しているとか。
あくまで風の噂なので、真偽の程は定かではありませんが。
インプラント治療は一部のセレブや芸能人だけが受ける特別な治療ではなくて、歯を失った全ての方が受ける一般的な治療法です。
残念ながら国の予算や財源の問題で、保険適応になっていないだけのことなのです。
保険診療で普通に行われているブリッジや義歯による治療方法は1960年代となんら変わっておらず、使用する材料がいくらか進歩しているだけに過ぎないのです。
ちなみに現在の確立されたインプラント治療方法でさえ1990年頃には日本に導入されているので、もう35年以上経っています。
以上のようなインプラント治療における内容や過程を理解してもらった上で、改めて各ステップの適正価格を考えてみましょう。
先ずCT撮影料、診断料なのですが、自院にCT撮影機械があればそれ程コストがかかるものではありません。
ここでCT撮影料5万円、診断料3万円などと謳っている医院は明らかに利益至上主義の医院ですね。
今現在CTを設置してない医院は明らかに時代遅れで、患者さんの為になる診療をしているとは到底思えません。
カウンセリング費用にしても、治療内容を事細かく説明をしてそれを理解してもらうのは当たり前のことなので、そこに費用が発生するのもなんだかおかしい気がします。
勿論、5回も6回も無料でお願いしますというのは厳しい話ですが。
皆様方が高額な買い物、例えば車とか家とかを購入する場合に、契約するまで何回も話し合いをすると思います。
車種や家を建てるメーカーを決める以前にも、見積をとって比較して担当者と面談するはずです。
ですが、基本的には契約したところ以外になんら費用は発生しないはずです。
インプラントを埋込する場合も、年間に行う症例数が多い医院であれば、材料を大量買いしてコストを抑えているはずです。
2次オペの費用も2~3本までの本数であれば費用はいらないはずで、もし請求するとしても1万円ぐらいのものです。
そして歯型を採る治療も1~3本までなら時間的にたかがしれていますので、ノーチャージか1本につき2千円ぐらいでしょうか。
この後、直ぐに最終的な白い歯が入る場合もあれば、仮の歯が入る場合もあります。
この仮の歯に関しても皆様に知ってもらいたいことが山ほど有りますので、次の回でお話致します。